病院嫌い〈2〉
『……ありがとう』
お医者さんは仕事が忙しいはずなのに
私のわがままを聞いてくれる
直輝先生の優しさが伝わって
少しだけ頬に伝ってしまう涙
『お礼なんていいから
早く元気になってくれよ。
夏帆ちゃんが元気になってくれることが一番嬉しいんだからな!』
優しくそう言い、頬に伝っている涙を拭ってくれる
直輝先生の優しさに心を奪われてしまう。
こんな私のことを大切にしてくれる直輝先生……
私…。 直輝先生のことが大好きなんだ
そう確信できた
『………直輝先生』
『……ん……?
どうしたの……?』
ギュッ…と握ってくれる手と
優しい声を聞いて安心して
ふわりと眠たくなってしまう
私。 直輝先生のこと大好きだよ……と言おうとしたけど身体が言うことを聞かなくて
意識がだんだんと遠くなって眠りに落ちてしまう