病院嫌い〈2〉



『………春樹、もう大丈夫』








そう言って顔を上げた彩夏だけど、気持ち悪くなったみたいですぐに顔を埋める









『……グスッ グスッ グスッ ヒック ヒック』









『…………………………彩夏』











精神的にも身体的にも限界になった彩夏は泣きわめく











『……なんで…………私ばっかりこんなに苦しいの
もう無理だよ グスッ グスッ ヒック 
辛いのも、苦しいのも グスッ グスッ』










俺は何も言わずに彩夏をギュッと抱きしめる







 



気持ち悪くて苦しいのはどうにもできないけど、どうにかして彩夏を安心させたいと思って










『……… グスッ グスッ 春樹 もうやだよ
限界……こんなの耐えられないよ』










そう言った彩夏は本当に苦しそうで………
心が痛む










『…………彩夏なら頑張れるよ』










『………春樹には何もわからないよ!!
この辛さも苦しさも、もう何も言わないで!!』






 



そう言って俺を押し倒して走って家から出ていってしまう




 




 
『彩夏!!』










いきなりのことで彩夏を捕まえられなかった











< 65 / 150 >

この作品をシェア

pagetop