病院嫌い〈2〉


『夏帆ちゃん、そんなに泣かなくても大丈夫だからね。今は何もしないからね』





『や…だ 入院なんかしたくない
……帰りたい グスン ヒッグ ヒッグ』





夏帆ちゃんの目からこぼれ落ちる涙





見ていると心が痛くて苦しい





俺だって、夏帆ちゃんを泣かせたくて入院させているわけじゃない





夏帆ちゃんにとって入院がどれだけ辛いことかもわかっている





でも、俺は夏帆ちゃんの病気を治したい、だから入院させるしかないんだ……






『夏帆ちゃん、俺もいっしょだから頑張ろうよ
良くなったら退院できるからね』






『……やだ 怖い ヒッグヒッグ』





不安そうに泣く夏帆ちゃん……






それをただ見ていることはできずに、号泣している夏帆ちゃんを優しく包みこむように抱きしめてこう言う





『大丈夫 大丈夫。
怖い思いなんかさせないから
先生もできるだけ様子を見に行くし何も心配しなくていいよ』




ひとつひとつの言葉をしっかり言い





夏帆ちゃんをさっきよりも強く抱きしめる





すると、夏帆ちゃんは






『……私 がんばるよ』






弱々しい声だったけど、そう言ってくれた








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