「この顔見るのは“俺”限定」
「えっと……。
いや……。
やってみてよと言われましても……」



深く考えて言ったわけじゃないし。



そんなことを言われても、すごく困る。



だって、こんなの、売り言葉に買い言葉じゃん。



だから、さっさとスル―しちゃってよ!



心の中ではそう思うけど、口にはだせずに口ごもる。



そんなあたしを、汐見廉は優しく笑った。



あれ?



瞳が甘くなった?
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