課長と私

story7


「わー…ちょっとチャラい亮くんだ…」

「…髪長いな」

「先生に怒られませんでしたか?…あ、ほらワイシャツも出してる」

「周りの奴の方がひどかったから、あんまりマークされなかったかも」

「そうなんですか。でも、この時からかっこいいなぁ…」

「…もっと言って」


休日の昼下がり。
私がめちゃくちゃお願いして、彼の高校の時のアルバムを引っ張り出してきた。


「亮くんがいる写真、絶対女の子いるんですね…」

「そうだっけ…?」

「モテたんでしょうね……」

「いや…」

「天然タラシでしたね?」

「え…タラシてないよ…」


このビジュアルでモテない訳ないじゃない…
廊下すれ違っただけでドキドキするんだろうなぁ…

彼と同じ高校生活、送ってみたかったと思ってしまう。


「誰なんですか。」

「ん?」

「この中にいるんでしょ、彼女…」

「いないよ。」

「じゃあ…この写真の中ですか?」

「いないって…」

「学年が違うとか?」

「あー…なんて言うか…遊ばれてはいた、かも」


亮くんが、遊ばれて…????

意外な発言に驚いて彼の方を見る。
一体誰がそんな…


「あの…それは、どういう…」

「楓ちゃん興味あるの?」

「う…うーん、ちょーっとだけ……あ、でもなぁ……」

< 253 / 263 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop