課長と私
ep.4

先輩の家にしばらく住まわせてもらって、早1か月が過ぎた。
もう本当に同棲しているようなものだ。

さすがにこれ以上は悪い気がして一旦自分の家に帰ることを先輩に言った。
少し渋い顔をした彼は置いておいて、とりあえず自分の荷物を集めて帰ることに。

隣に住んでいた真鍋さんは2週間ほど前に引っ越して、今は空き部屋になっているらしい。
ホッと安心する自分がいる。


「よっ…こいしょ!はぁ~!重かったー!!」


整理してカバンに詰めたものの重さには勝てなかった。
引きずりながらもソファのところまでカバンを持っていく。

ずっと締め切ったままのカーテンを勢いよく開けて、一緒に窓も開けた。
外の空気が一気に入ってくる。


「うわぁ、さすがにホコリっぽい…。掃除から始めるかぁ…」


我が家に帰って来た安心感とこれから大掃除をしなくてはならない絶望感が入り混じる。
すっかり先輩の家に慣れてしまったせいか、自分の部屋はあまりにも狭く、窮屈な感じがした。

何から始めようかとボーっと部屋の中を見つめているとポケットの中にあった携帯が震えた。
相手は先輩だった。


「家…ついた?…か。心配してくれてるのかなぁ…」


恋人っていうか、親って言うか…
親戚のお兄ちゃんとか、そんな感じもする。

急いで返信をして、掃除に取り掛かる。
1日あったお休みは自分の部屋の中で過ごして終わりだった。

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