アンドロイドメランコリー

『声』


騒々しい夜
喉が渇いてた

肘を着いた君は一人
溜め息を吐いて
目を擦ってる

月明かり
町明かり

原色の波が犇めいて
明日の夜が滲んでて
僕だって泣いてしまいそうだ
涙なんか出やしないのに

窓の外へ
世界の外へ
あの後ろ姿を投影しては
僕らは自分に辟易してる

僕が呼ぶから
君も呼んでよ

たった一言が
たった一人の『僕』になるから

優しい声
君の呼ぶ声
僕の名前はずっとそれだけ
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