囚われロマンス~ツンデレ同期は一途な愛を隠せない~


わずかに見開かれた瞳は、驚きも浮かべていたけれど、同時に何か違うモノも浮かべている気がした。

私がハッキリ言った事へのショックみたいな、違反みたいな……そういうモノなのかもしれない。

告白しようとしてそれを遮られた時から、及川と私の間には驚くくらいにそれに関する会話は皆無だった。
だから、及川はなかった事にしたいんだなって思って、私も言わなかった。

それは暗黙のルールみたいになっていたといえばそうだし……だから、私がルール違反を犯した事へのショックだったのかもしれなかった。

なに、ルールって。

なに……好きだって、言っちゃダメだって。そのくせ、こんなところに平気な顔して連れ込んで、白状させて。私の気持ちばかりを暴いて。

及川が何をしたいのかが、まったく分からない。
分からなくて、イライラする。

本当に、勝手な男だ。
そう……思う、のに。

「好きだって知ってたくせに、なんでそんな顔するの……」

そう呆れたみたいに笑いながらも、涙は止まらなかった。

「なんなの……? なんで……からかったりするの? 私は、及川みたいに軽い気持ちで好きになんてならないっ。
だから、及川が告白を遮った時からずっと、今までだって好きだった……っ。
でも、及川はあの告白をなかったみたいにしたそうだったから、だから私もそうしようって頑張ってたのに……」

「なのになんで、こういう事するの……」と、最後は完全に涙声になってしまいながら言い……。

それから、ぐっと顔を上げて及川を見た。




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