明日へのラプソディ

「久しぶりね。ま、上がって、上がって」

「お邪魔しま〜す」

優子は郊外に20代のうちに早々と家を建てて、ローンの返済が大変と言いながらも、専業主婦で子供たちの世話しながら優雅に生活している。つまり、私の夢の結婚生活を手に入れている女の一人。スリッパを履き、リビングに通され、ソファーに座る。

「コーヒーでいいでしょ?」

と、優子は用意しておいてくれたらしきコーヒーをカップに注いで、トレーにコーヒーとシフォンケーキを運んできた。

「まさか、このケーキ、優子が作ったとか?」

「そのまさかよ」

「ま、食べてみてよ。結構上手に出来てるんだから」

と、自慢げに言いつつ、優子は私の隣に腰掛けた。

< 173 / 349 >

この作品をシェア

pagetop