明日へのラプソディ

「ありがとうございま〜す」

って、嬉しそうにニッコリしながら席につく松本さん。あれ?今の褒め言葉だったの?ん〜、私、時代について行けてないかも。
私が女を捨てて(?)一人で生きてきた8年の間に女の常識って変わっちゃったのかしら。そうやって考えると、この8年は充実してたとは言い難いなぁ。

「主任」

「ん?」

松本さんを見ながら、ぼーっとして考えていたら、香山さんがまだ私の答えを待っていた。

「どっちですか?」

「…昔の8年かな」

「ですよね〜」

と、香山さんは、答えを聞くとどこか満足げな笑みを浮かべてから、デスクに向かって仕事を始めた。あれ?聞いただけ?その後のコメントとかないの?ま、いっか。私も仕事しよっと。

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