明日へのラプソディ

午後からの仕事をなんとかこなし、

「お疲れ様でした〜」

と、言う松本さんの声を合図に終業時間となった。私も帰ろ。パソコンを閉じて、サッと席を立った。

「お疲れ様でした」

「あ、町田主任」

向かいの席の課長がこちらを見上げる。

「明日だからな、良く考えて」

「…はい。お先に失礼します」

課長に頷いてから、部屋を出る。出たところで、

「主任っ!」

と、香山さんに呼び止められた。

「ん?どうした?」

「真っ直ぐ帰るんですか?」

「う〜ん、わかんない」

「飲みに行くなら、付き合いますけど」

「ありがと。でも、一人でいろいろ考えたいから」

「そうですか」

「うん。心配してくれてありがと。じゃ、お先に」

「お疲れ様でした」

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