大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「ばっ、ば、ばかっ、ばかやろう!!

ふざけんな、てめーら!!」




龍生が怒鳴ると、子どもたちはきゃあきゃあ叫びながら駆け出した。


龍生は「逃げても無駄だ、ばかやろう!!」と追いかける。



その光景があまりにのどがで、あたしは大声をあげて笑った。




―――それにしても。


龍生って、本当に意外性のある人物だ。



髪の毛は真っ赤っかで、

眉毛は短くてうすくて、

金色のネックレスをつけていて、

制服を着崩して、

肩で風を切るように歩く。



誰がどこからどう見たって、めちゃくちゃ怖いヤンキーなのに………


中身はまるで子どもみたいだ。



あたしは胸にだいていた子犬をそっと地面に下ろしてみた。


外に飛び出したりしたらすぐにつかまえよう、と気を引き締めていたけど、

子犬はちぎれんばかりに尻尾をふりながら、龍生のあとを追いかけていく。



あたしはベンチに座って、子どもたちと子犬と一緒に後援を走り回る龍生を、いつまでも眺めていた。





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