【完】俺のカノジョは生徒会長
お袋はふっと溜め息を漏らした。
「まったく、あんたって子は…。大学なんて行かなくたって、職はあるじゃない。そんなことで無理しすぎて体壊すなんて…。風太さんも、呆れるわよ」
風太とは俺の親父の名前だ。
ってか、なんだお袋。
黙って聞いてりゃ、自分の意見を押し付けやがって…。
俺は顔をあげて言った。
「なんでお袋が決めんだよ! 無理しすぎってなんだよ! 俺はお袋や親父のロボットじゃねぇんだよっ! 」
思わず声を荒げてしまったが、お袋は微動だにしなかった。
さすがは親父の嫁だな。
お袋は真っ直ぐ俺を見た。
「ねぇ、考え直してちょうだいよ。大学だってただじゃないのよ。そんなことよりも組を継ぐことの方が大事じゃない? 」
「俺はそうは思わない」
一度言葉を区切ると、唇を湿らせて続きを言った。
「何が大事で、何を優先させたいかは、俺が自分で選ぶ」
そしてとどめの一発をお袋に放った。
「俺の人生に口だすな。親でも所詮は他人だ」