理想の恋人って!?
2.偽って、デート!?
 翌土曜日の昼前、私はホワイトのシフォンワンピースを着て、洗面所の鏡の前に立っていた。襟元がスクエアになっているので、デコルテがきれいに見えるし、パフスリーブも二重になった裾もかわいらしくていい感じだ。

 問題はヘアスタイル。大人しめのマロンブラウンにカラーリングした、まっすぐすぎるほどのストレート。ワンピースに合わせてゆるふわカールを作りたい。

 そこで、めったに使わないヘアアイロンを出してきて、セミロングの毛先を緩くカールさせる。

 慣れてないせいか、ところどころ不自然にくるりんとカールがついてしまった。

 これじゃまずい。

 なんとか自然なカールになるようヘアアイロンを当て直しながら悪戦苦闘していると、二歳年下の妹の友梨(ゆうり)がようやく起き出したらしく、二階の部屋から階段を下りてきた。

「あれぇ、お姉ちゃん、もしかしてデート?」

 友梨が寝起きの顔をニヤニヤ緩ませながら鏡に映り込んでくる。

「違うよ」

 私はヘアアイロンに髪を巻き付けながら、即座に否定した。

 「え~? だって、お姉ちゃん、髪をカールさせるなんて珍しいことしてるじゃない。しかも、ワンピースなんか着ちゃって。天変地異の前触れ?」
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