汝は人狼なりや?(※修正中。順を追って公開していきます)

* ▷ Game START !

「ルール、説明……?」


 表示されている言葉の意味を拾い上げるのに、少し時間を費やした。

 だって、ゲームってなに?
 そのルールって、なに?

 誘拐されたはずの僕たちにとって、突然【ゲーム】だの【ルール】だの言われても、あまりにもこの場に似つかわしくなさすぎて、困惑を隠せない。

 それとも、これは本当は誘拐じゃないのだろうか?何かのテレビ番組のドッキリだったりして、実は部屋の至るところにカメラが隠されていたりするのだろうか?

 テレビの電源がつくということは、カメラを動かすための電気も通っているはずたから……。

 首を動かさずに辺りを見渡して気付く。いつの間にか、俯いていた狼谷くんも、顔を上げてブラウン管のテレビを食い入るように見つめていた。

 さすがの狼谷くんも、今自分がおかれている状況は知りたいと思うんだね。他のみんなも画面に釘付けで、僕も再び、画面の方を見る。僕たちが今おかれているこの状況と、今から始まるであろう得体の知れないゲームというモノ……それがなんなのか、僕たちは知りたい。

 すると、テレビ画面に映された白い文字はゆっくりと消え、ゲームのルールに関する文字が次々と表示されていった。


 ──【ルール説明】

 ──Ⅰ。《これは〝GAME.人狼〟。部屋の中にいる人間と、その中に紛れ込んでいる人狼が殺し合い、最後まで生き残った〝種族〟で勝敗を決めるゲームです。》


 ドクン、と、心臓が大きく跳ねる。

 この中に、人狼が紛れ込んでいる……?!

 しかも、人間と人狼が殺し合って、生き残った〝種族〟で勝敗を決める……?!

 あまりにも唐突で、信じられないような内容に唖然とする他ない。
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