嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?

「こんにちはー。受付の釡井です」
「同じく受付の笹山です」

着飾った四人は、本物のルビーが埋められた社員バッジが霞むぐらいの輝きで会場へ入って行く。
同い年くらいのはずなのに、片やダサい丸眼鏡スーツ、片や結婚式の様に華やかな四人。
余りに住む世界が違いすぎてびっくりした。

「今年の受付嬢達も可愛い子ばかりね。しかも、ちゃんと自分たちの武器も分かってる感じ」
「武器、ですか?」
「うちの社長、受付嬢と結婚してるから社内恋愛は認めてるし、――毎年受付嬢達はそれにあやかってか可愛い子たちばかり入ってるのよね。副社長と新くんのお嫁候補なんじゃないかしら。家柄も良い子ばかりよ」
「お嫁さん候補……」
だからあんなに自信に溢れて可愛い子ばかりだったんだ。
私なんて社員バッジにルビーなんて悲鳴をあげそうだったのに。
ジュエリーに囲まれ慣れているお嬢様たちなのか。

私はあの子たちと同等ぐらいのお嬢様女子大だけど、お父さんは普通のサラリーマンだしお母さんも花屋でパートしてるし。

あまりにもかけ離れている。

< 23 / 231 >

この作品をシェア

pagetop