嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?

内定が決まったのでお世話になった教授に挨拶しようとしたら、鉢合わせした同じゼミだった子に突如穴埋め要員として連れて来られた、オシャレなバー。

洋館を改造して建てられたらしく、天井にはシャンデリアが淡く輝く。


合コンはこの洋館の二階、螺旋階段で登ってフワフワのソファに、絵画が飾られた壁に、インテリアとして置かれている暖炉。

私の知っている合コンとはちょっと、――いや、かなり違っている気がする。


「あの、ちょっとお手洗いに言ってくるね」
「うん。気を付けてね」

私を拉致した、ふわんとした可愛らしい女の子が笑顔で見送ってくれた後、すぐにまた会話に戻ってしまった。
同じゼミという事と下の名前がぼんやり分かる程度の顔見知りだから仕方ない。

「ねー、マリ。この人が今度、クルーザーに乗りませんかって」
「あらやだ、私じゃなくて、貴方だけに誘ってるんじゃないの?」


向かい合って座っている男の子たちは、ブランド品に身を包むどこか育ちの良い御坊ちゃまだらけで、車で来たからってお酒を飲まない徹底ぶり。

自分の家の会社の話や、車や別荘、クルーザー。
私には縁のない話ばかりで息が詰まる。
ただの食事会みたい。

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