嘘つきシンデレラガールと二人の偽王子!?

先ほどの肩や腰を触って来た人が、林田さんだったとしたら、雑誌との連動企画が流れたことになる。

「全然違います。遅かれ早かれ、俺の部下にセクハラするような男なんか切り捨てるつもりでしたから」
「そうそう。一発殴ろうと思ってたんだよ。父さんの恩師のイトコの息子とかいう殆どどうでも良い肩書で偉そうにしてたし」

「そ、うらないいのですが、でしたら、気を失った私をどなたが助けてくれたんですか?」

そう尋ねた瞬間、どちらからともなく無言になった。
何か聞いてはいけないことだったのか。
私を助けてくれた人は一体誰だったのだろう。


でも次の瞬間、二人が放った言葉は私の口をあんぐりとだらしなく開けさせた。

「俺だ」
「俺です」
そんなわけあるわけないのに、強く聞けるはずもなくて。

私を助けてくれた王子と、偽王子が同席する車の中、それ以上会話も弾むわけがなく。

重たい雰囲気の中、車はネオンをかき消すように走っていく。


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