鏡の中
une

日常




藤本志(ふじもとゆき)

自分では特に努力もしないで育ってきた18年間。



でも彼にだって不満はそりゃいくらでもあった。

生きているから。





特に努力もしないで、ってゆうのには理由がある。


まず第一に金銭面には不自由していない。

自分で働かなくとも苦労せずに、親からもらっている。

欲しいものは口にすればすぐに手に入った。


彼の親は勤務地が遠かったり、海外に飛んで仕事をしたりするために、ずっと家には帰ってきてない。
彼は人から、寂しいわよね、と言われると寂しくないと即答した。


事実、家にはとっかえひっかえ誰かしらいるから一人という一人ではないのだ。





そして彼は女にも不自由してなかった。

年齢的にはまだ未成年で、大人になりきれていないのに、女は彼をいつだって求めた。
そのため、高校3年生という若さで、女に言い寄られるのには飽きてしまった。



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