鏡の中




慌てて洗面所にかけこみ、自分を見た。


そこには…自分がいた。


怖かった。



他人にしか思えなかった。


今まで鏡をふと見るときはいつでも、誰だって、自分だと認識するだろう?

目がはれていたら、あーはれてるな、って思うだろう?

多少の変化には、自分の変化だと認識できるだろう?



でも違うんだ。


これは自分なのか?と疑ってしまう。



確かにどことなく自分に似ているけど、だからこそ怖いんだ。



自分のようで見たことのない自分だから。



< 21 / 142 >

この作品をシェア

pagetop