鏡の中




幼馴染の修衣は、志の過去を知っている。


小学校と中学校はずっと一緒だった。



だから…志がなくした記憶のその年も、事細かに、とは言わないが大まかには知っている人物だ。



那と同様深く関わっているのは、修衣だから、彼にもいずれ言わなければならないんだろう、と志はどこかで決意した。

学校は違うが高校でもずっと絡んでたし、学校での豹変ぶりを修衣は知っていたから。



「少しは振り払えってんだろ?」

「そうだよ!わかってんだったら実行にうつせよ!高校ん頃のお前はどこいった。」


笑いながら、笑い事としていっているんだろうけど、志の胸にはずきっと刺さった。




隠し事は…つらい。



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