晴れ、のち晴れ



朝、いつも通り登校する途中に、葵の姿があった。

葵はあたしに気付くと片手をあげ、小さく挨拶をする。

「なんでここに…」

「様子を見に来ただけだ」

「いや、その、学校は?」

今日は平日だ。学校が都合よく休みということはないだろう。

「さぼり。二時間目には間に合うだろうし」

葵は腕時計を見ながら、特に焦った様子なく答えた。


…さぼっていいんだろうか。

あたしと違って葵は優等生だろうに。

「三年は、学校に行かず塾で勉強している奴もいるし、遅刻や欠席には甘いんだよ」

心を見透かすように、葵が先回りして答える。


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