生贄投票
学校に行くなら、用意をしなければならないのだが、少しでも孝史に寝てもらいたい。


でなければ、タップを任せて学校に行っている間に、孝史が居眠りをしてしまうと、回数が伸びないのだ。


「うん。でも、姉ちゃん。そろそろ学校に行く用意をしなきゃマズいでしょ?」


「それはそうだけど……」


ここでも弟の優しさに触れ、環奈の胸に思わず熱いものが込み上げてきた。


「ごめんね孝史、ついアタシだけ寝ちゃって」


「うん。気にすんなよ。その代りみんなを説得したら、すぐに帰ってきて代わってよね」


「うん。分かった」


環奈は心の底から、弟に感謝した。
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