生贄投票
「いや、こいつらが急に喧嘩を始めたもんだから……」


雅治は涼花の手を離すと、藤本の方に向いて説明を始める。


その雅治に向かって、涼花は机の上に寝た状態から、脚を曲げ、そのまま雅治を蹴飛ばした。


蹴られた雅治は、そのまま前の机になだれ込む。



「おい! 何やってるんだ。止めろ!」


本来あまり関わりあいたくないのだが、さすがにこれは見逃せないと、藤本は止めに入った。


「喧嘩の原因は何だ?」


立ち上がった涼花に藤本が聞く。


「あの女が突然殴ってきたのよ!」


涼花は裕也に抑えられている明里を、睨みながら指差した。
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