生贄投票
「おはよう。ん? どうした?」


明るい笑顔で挨拶してきた父が、すぐに眉をしかめる。


「え?」


「顔色が悪いけど大丈夫か?」


「ああ、うん。あんまり眠れなくて」


「そうか……無理すんなよ」


「うん。有り難うお父さん」


父の何気ない一言が嬉しかった。


「どうせケータイが新しくなったから、嬉しくて夜中まで弄ってたんでしょ?」


それに対して母がイヤミな言い方をする。


どうしていつもこんな言い方しか出来ないのだろう?

明里は母に対しても、本気でムカついた。
< 327 / 827 >

この作品をシェア

pagetop