Focus
「驚いた! 結輝、運転できるんだ」
助手席に滑りこんできた沙那さんが笑うと、耳に心地好い声に、こちらまで嬉しくなる。
「仕事で使うから。都内のスタジオでも機材を抱えて行くのは重いからね」
「あたしもよ。ブライダルなんて、どうしたって多荷物になるしね。免許ないと辛いわ」
都内であれば、交通事情はいいので、わざわざ車を維持しなくても用が足りる。それでも、仕事上必要なのは一緒だったようで、くすくす笑いがこぼれる。
ささやかな共通点。
それが見つかったことで嬉しくなった自分がいる。