Focus

1……2……3……

思いきって電話をかけても、極度の緊張が襲ってきて携帯を持つ手が震えてしまう。気をまぎらわすのに、コール音を数えてしまう。




「もしもし、結輝くん?」

明るい沙那さんの声にほっとして顔がゆるむ。声を聞くのって、結構嬉しい。

あんなに悩んでいたのに、沙那さんの声でまわりが明るくなって、重かった気持ちも軽くなる。

「はい、結輝です。今話して大丈夫ですか?」

「ええ大丈夫よ。シャワー浴びてくつろいでるから」

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