黒薔薇




好きなの、奏汰。

気づくのには、ずいぶんと時間がかかったような気もするけど、好きだよ。


……でも、
遼汰への罪悪感みたいなものが、胸につっかえて、言えない。

好きだなんて言えない。

奏汰はああ言ってくれた。
そんなことはわかっているけど、それでも言えない。


…なんで?
…好きなのに。



< 219 / 359 >

この作品をシェア

pagetop