不完全恋鎖
僕は終わりないループに入ってしまったようだ。


電車に乗りながら日も暮れて窓ガラスに映る兄貴と同じ顔した自分を見ながら考える。


僕には分かる。


兄貴はきっと彼女の事が好きだ。


何もかもが正反対の僕達だけど、僕には分かる。


兄貴は大切なものほど手に入れないってことを。


本当に欲しい物は手に入れないんだ。


それはきっと失くす事を恐れているんだと思う。


僕には分かる。


兄貴がそれを恐れている事を。


何故なら兄貴は一度、大切な人を失っているから。













僕はこういう時、双子なのがつくづく嫌になる。


心がシンクロするんだ兄貴と。


僕は僕なのに。


連鎖するんだ。


それは双子ゆえの細胞?


未知なる世界?


この僕の体を締め付ける鎖をぶっ千切ってやりたいって思うのにーーー


僕はこのループから抜けられそうにない。










< 10 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop