神様いけませんか?

別れは突然に

中学一年の夏。

あたしが忘れかけていた頃あの人があたしの前に現れた。


それは父が亡くなってから姿を消した母。


「美桜、大きくなったね。迎えにきたんだよ?これからはママと一緒に住むんだよ?新しいお父さんと新しい家族ともう一度やり直そう?」

母はそう言って涙を流した。


「私は反対だ!美桜は渡さない!」祖母が言った。


「義母さん、確かに置いて出て行ったのは悪かったけど、私にだってあの人が亡くなってから色々あったんです。」

母は食い下がらない。


涙を流す母。

今ならわかるよ、そんな涙は偽物だって。


祖母の反対を押し切り、半ば無理矢理に母はあたしを連れて祖母の家を出ることになった。


この事を何度後悔しただろう。


後悔してもしきれない。


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