あ い の う た <実話>

ら い ぶ

あたしは一人、自転車置き場を歩いていた。

尚とはしばらく一緒に帰ってなかった。



『ゆなちん発見〜♪後ろ乗〜せ〜て?』

後ろから尚に呼び止められた。



『嫌だ。』


尚はずっと気まずさを隠していた。



今までと変わらない。
何もなかったみたいに話す尚…。


あたしにはその尚の様子が余計に苦しかった。




『じゃあ俺漕ぐから★お願い?』


あたしは尚の【お願い】に弱い。





季節は12月…


寂れた商店街もクリスマスのイルミネーションに飾られてキラキラ光って見えた。





あたしは尚の背中を見つめ、






最悪の決断をした。






そう…




最悪の決断。






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