あ い の う た <実話>
鳴りやまない声援。
声援といってもほとんど野次みたいなかんじ。



演奏は始まらない。



『どうしたんだよ〜?』
『まだ〜?はやく〜!』


さらに声があがる。



ボーカルがゆっくり口を開く。





『うるさい』



皆が息を飲み、静まりかえった。




その一瞬を逃さず、
ドラムが鳴り出す。




『うお〜〜〜!!!!!』
再び歓声が沸きあがりライブハウス全体が大きく揺れた。




あたしが苦しさに堪えていると、




優しい声がした。





あたしを包み込む




そんな



優しい声…。






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