あ い の う た <実話>
病室に入ると、ベッドですやすや眠るママの姿があった。



自然と涙が止まった。


鼻に付けられた酸素を送り込む器具が痛々しい。




『まったく、あんたが学校終わるまでは連絡するなって言い張るんだから……。』




『え……………』





そのあとも叔母さんはしゃべり続けていたはずだけど、それはあたしの耳には届かなかった。






あたしはママの姿を見つめ、考えていた。




一人であたしを養ってくれてるママ…

学校へ行くのはあたしが唯一ママのためにできること。




そう思った。



あたしは3年間、
ここで生き抜かなきゃいけない。




辛くてもだいじょうぶ。



一歩外に出れば、


あたしを受け入れてくれる場所がある。





ママの為にも
自分の為にも



あたしはかならずこの学校を卒業する!






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