溺愛モラトリアム 【SPシリーズ新城編】
「はあ……だよねえ。しょうがないよねえ」
「平等にバカ息子の世話をするしかないか」
あきらめた大西さんと矢作さんは、新城さんと入れ替わりに休憩に行ってしまった。
「あの、新城さん……」
早速追求しようとすると、新城さんはケロリとした顔で言った。
「おはよ。昨日は悪かったな。初めてだって知っていれば、もっと優しくしたのに」
「……ぬぁっ!?」
大人しくシフトを確認していた高浜さんが、おかしな声を出してこちらを振り向いた。
「ちょっと!誤解を招くような言い方やめてください!」
「お前、まさか一ノ瀬さんに、せ、せ、セクハラを……」
高浜さんが真っ赤になり、新城さんに詰め寄る。
「過去、マルタイに手出した人に言われたくないですね。心配せずとも、高浜さんみたいな悪いことはしてませんよ」
新城さんはくすくすと笑いながら高浜さんを見上げる。
よくわからないけど……高浜さんが昔、女性のマルタイに性的嫌がらせをしたことがあるってこと?まさか。こんなに優しい高浜さんがそんなことするわけ……
「それはもう言うなぁぁぁ!」