隣の席の男の子は、アイドルでした。〜angel days〜
第1章

運命の出会い?

「愛してるよ…」
そう言って優しく髪を撫でる。
そして、ゆっくりとぼんやりとしかわからなかった輪郭がはっきりしてきて
あたしは目をこらす。
(この甘い声……………誰……?)


もう少しで唇と唇が近づく……………

















--------ピリリ、ピリリ、ピリリ♩

え……夢????


窓の外が明るい。
夢の中に出てきた人、王子様みたいでカッコよかったなぁ…

まだ眠たい目をこすりながらベッドから
起き上がる。
階段で一階に下りると、食卓にはもう朝食が準備されていた。

「おはよう。よく寝てたわね。」

スーツで歯を磨きながらニヤニヤしているお母さん。

「おはよ。なんかいい夢見ちゃってさ♩」
「あら、よかったじゃない。 お母さん、もう出るからね?
あんたも今日から新学期なんだからちゃっちゃと着替えて学校いきなさいよ?」
「はあーい。」

気の無い返事をしてトーストをかじった。


遅ればせながらここで自己紹介をさせていただきます。
私、小野寺 咲(おのでら さき)は今日から2年生の普通の女子高生。

小さい頃親が離婚して、お母さんが女手一つで育ててくれた。
お母さんはバリバリの現役雑誌編集者で、しょっちゅう忙しくしている。

まあ、それが離婚した原因でもあるみたい。
それでもあたしを育ててくれた大事なお母さんに変わりはない。

それ以外は本当に至って普通にそだち、勉強も恋愛も遊びも平均的に経験してきた……って感じかな?



「…あ。やばい、そろそろ出ないと。」


玄関の鍵を閉めて、外に出ると家の前の公園の桜が綺麗だった。
ローファーで桜の花びらが散っている歩道を踏みしめながら歩く。

今日から2年生かぁ。
とぼんやり考えながら20分も経つと、学校の門が見えてきた。

あ、今日からクラス替えもあるのか、と思い出していると、

「さぁーーーーきぃーーーー
!!!」
ん??

「わあっ!!」


いきなり抱きつかれた。


「2年でも同クラだよぉ〜〜〜!!やったね!!!」
「まじで!?やったぁーー!!」


にこにこしながら猫みたいな目で微笑んでる、この子は私の大親友。

高槻 茜(たかつき あかね)。
中学校からずーっと一緒で、なんでも話し合える存在。あたしは小さい頃人見知りで、一人で遊んでいるような子だった。
そんなあたしに初めて話しかけてくれたのは茜だった。それからずっとつるむようになり、人見知りも克服。中学では結構二人でやんちゃしたりもして、先生に怒られたりもした。今となってはいい思い出だけどね。

ちなみに、茜はいわゆるハキハキした元気タイプで男友達も多い。本人は気づいてないようだけど、美人で面倒見がいいので人気がある。

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