明日も、生きる
翌日



休もうかと悩んだ



だけど、あっちゃんの困った顔が浮かんだ



1つため息をついて

カバンを持ち、家を出た



下を向き、とぼとぼと歩く



電車で二駅、校門の前に立つと
胃がキリキリ痛む


行かなきゃ

保健室の扉を開けるとあっちゃんが

「おはよう」


その声が聞こえたけど、ぐにゃりと視界が歪んで真っ暗になった




















目が覚めると
右側に白いカーテンがヒラヒラと揺れた

消毒の臭いが、ツーンと鼻をつく


「起きたかい?」


左側を見ると、陽さんがいた


ここ、病院かな?


「昨日、学校で倒れたんだよ?」


きっ…昨日?


「…ごめんなさい」


「栄養失調症だって…」

「あっ…」


私!!食べるの忘れてた!!



「やっぱり、一緒に暮らさないかい?」



そんなの…   迷惑でしょ



「うっかりしたの
これからは、ちゃんと食べるよ」


キツかったけど、精一杯笑ってみた



「明日、迎えにくる」



陽さんが部屋を出たとき





凄く、寂しかった


行かないでって、叫びたいくらい






だから







お母さんが、死んだ時以来に泣いた

個室だから、遠慮はいらないんだろうけど



そばにあったタオルで、口を抑えた



私は、あとどれくらい


迷惑をかけて死ぬのかな






死ぬことを

初めて、怖いと思ったの



1人になっちゃうんだ

寂しくて、泣いた




泣きすぎて、凄い顔になったから

三兄弟が、お見舞いに来たときは


「寝過ぎると、目が腫れるんだね?」


笑って誤魔化した







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