明日も、生きる
私の世界は粉々
昨日の出来事のせいか、強い薬のせいか
胃が痛む

吐き気がして、吐血する

そろそろ薬もなくなるし、病院に行こっかな

仕事だと、嘘をつき



買ったばかりのバイクで病院へ

ヘルメットを取るとき、ウイッグもとれそうになる
危ない 危ない


おばさんの街は、思ったより遠い

バイクでよかった


久しぶりに会うお医者さんは、私を見て

「元気そうだね?」

笑って言った


「おかげさまで、元気いっぱいです!」


私も笑って答えた



痛いときだけ飲む薬と1日3回飲む胃薬をくれた


腫瘍は、少し大きくなっていた



病気の自覚は、出てきたけど


頭の中にアレがあるのは、わからない





でも、現実なんだよね




帰ろうと駐輪場に行き

ヘルメットを手に持つと

「君!!スタイルいいね?
モデルにならない?」

病院の駐車場でスカウトとか、ありえない

てゆうか、現役モデルです


「私、急いでいるのでさよなら!」

素早くメットをかぶり、バイクを走らせた



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