明日も、生きる
私の世界の終わり
剛は、アメリカで栗原夫妻に面倒を見てもらっている

俺達は、始業式



めぐの死は、予想外なことに
ニュースで取り上げられた

〝モデル Ritsukaが事故死〟

目撃者から、メディアに投稿されたんだ



教え子の死

彼女の死




俺には、まだ心の整理がついていなかった



登校の時刻、客が来た


「あの!遠藤先生!森永 萌來さんに
会わせて頂けませんか?」


会えるなら、俺が会いてぇよ


「失礼ですが、どのような要件ですか?」

「○×交差点で起きた事故の時、彼女に助けていただき、お礼を言いたくて!
あの日、彼女が着ていた上着で、私の止血をしてくれたり、励ましてくれて
一命取り留めることが出来たんです!!
近くにいた人達は、近寄りもしなかったのに、彼女は離れた所からバイクを降りて
走って来てくれたんです!
お医者さんが、出血量があと少し多ければ、私は助からなかったって
お願いします!!会わせて下さい!!
ええっ!!」


驚くのも、無理はない


俺は、見ず知らずの女性の肩を借りて
泣いているんだから






俺は、あの日めぐを疑った


めぐの話も聞かずに、怒鳴り散らして

叩いた

脳に腫瘍があるのに……


「すみません…
ずびっ……森永は、亡くなりました」



彼女は、めぐを思い、泣いてくれた


「墓は、アメリカなんで、今度伝えておきます!」



「一緒に連れて行って下さい!!」





なんとなく、彼女をめぐに、会わせたかった

めぐの助けた人は、こんなに元気になったぞって




「来月の連休に行くので、チケット取ります!予定、開けてて下さい」


連絡先を交換した


「では、始業式ですので」


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