もう君がいない


俺と茉菜が出会ったのは、生まれてすぐだ。

生まれた時から、ずっと側にいた。

物心ついた時から、ずっと一緒にいた。


生まれつき心臓が弱い俺を、いつも茉菜が守ってくれたんだ。

親になんて言われたのか知らねぇけど、茉菜はずっと俺の側を離れなかった。


そんだけ近くにいれば、好きになったっておかしくないだろ?

気づいたら、茉菜が好きだった。

茉菜に、恋してたんだ。


いつだって茉菜がいたから、俺は寂しくなかったんだ。

茉菜がいたから、毎日楽しかった。

茉菜のために、病気と闘ってこれたんだ。


小6の冬、担当医からアメリカの病院を紹介された。

子どもの心臓病に関しては、世界一と言われるほどの医者がいて、その医者なら俺の病気も治せるかもしれないと。

両親も賛成し、アメリカ行きが決まった。


最初は嫌だった。

茉菜と離れるってことが、何より嫌だった。


< 158 / 448 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop