もう君がいない


私が腰を下ろすと、蓮は私の腕を静かに離した。


蓮の温もりが、徐々に無くなっていく。

それが、すごく寂しいと思った。


ああ、、ダメだな、、

やっぱり、、

私、、


どうしようもなく、蓮が好き。



「蓮、横になってゆっくり休んで?蓮が眠るまで、ここにいるから。」

「ん。」


素直にベッドに横になる蓮が、ちょっとかわいく見える。


「なんか、逆だな。」

「ん?」

「昔はいつも、俺が茉菜が寝るまでずっと見てたのに。」

「ふふ、そうだね。」


今日は、私が見守る番。


いつも蓮がそうしてくれていたように、

私が、蓮が眠るまで側にいる。

蓮が眠るのを、そっと見守るよ。



「茉菜、」

「ん?なに?」

「一つ、頼んでもいいか?」


蓮は、そう言うと、布団の中から手を出した。


「俺が眠るまで、手、握ってて?」


子犬のような目で、私を見つめる蓮。

蓮がこんなこと言うなんて、もちろん初めてで。

私の胸は、素直に、キュンと反応してしまう。


少し、ためらったけど、、


私は差し出された蓮の手を、

そっと、ぎゅっと、、


、、握りしめた。


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