もう君がいない

私と光貴



光貴と出会ったのは、中学校。


入学式の日、光貴が声をかけてくれたんだ。


美雪と歩いて登校したら、中庭にクラスが張り出してあって、でもすごい人だかりで、背の小さい私は、あっという間に人混みにもまれた。


人に押されて転びそうになったとき、誰かが私の腕を引いて、支えてくれた。



「大丈夫?」


「うん。ありがとう。」


それが光貴だった。



「あっ、茉菜!良かった〜どこ行ったかと思ったよ〜。あれ?あの〜、、」


はぐれた美雪が、私のことを見つけてかけ寄ってきて、私の腕を掴んでる光貴を、少し警戒した目で見る。


そこでハッとしたのか、光貴は掴んでいた腕を離した。



「あっ、この人はね、人に押されて転びそうになった時、腕引っ張って助けてくれたの。」


「えっ、そうなの?すいません、茉菜が迷惑かけちゃって〜。」


美雪は私の保護者かのように、光貴にペコっと頭を下げる。


さっきまで威嚇してたのが嘘かのよう。


< 27 / 448 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop