もう君がいない

あの場所で



電車に揺られて、けっこう長い時間経った。


「ここだよ。」

そう言った蓮に、つないだ手を引かれて降りた駅。


「ここ、、」

「覚えてる?」



なんだろう、、

すごく懐かしい気がするんだけど、、


駅名にも見覚えはあるけど、思い出せない。



「ごめん。思い出せない。」

「まぁ、来たのは本当ずいぶん前だしな。」

「蓮は、覚えてたんでしょ?」


蓮が覚えていてくれたことを、自分は覚えていなかった。


それどころか、

どんなに考えても、思い出すことすら出来ない。


それが悔しくて、悲しい。



「実を言うと、俺も最近まで忘れてた。」

「そうなの?」

「ああ。」

「でも、じゃあどうして、」


どうして、蓮は今日、ここに私を連れてきたんだろう。


< 368 / 448 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop