もう君がいない
Chapter.2 〜 戸惑う針 〜

気まずい朝



始業式の次の日の朝。


突然帰ってきた蓮のことで、頭がいっぱいになっちゃって、全然眠れなかった。


はぁ、、

クマできてるし。

私は鏡に向かって、コンシーラーでクマ隠しを始める。



本当に、、帰ってきたんだよね?


蓮が、いるんだよね?

今、隣の家にいるんだよね?


いまだに信じがたい事実。


それが、私の心をかき乱す。



過去にしたつもりだった。

思い出にできたつもりだった。


なのに、蓮を見た瞬間、心が跳ねたのはなぜ?

蓮の隣を歩くとき、きゅんとしたのは気のせい?

蓮の家に行って、久々に二家族集まっての食事で、幸せだと感じたのは?



私は、ちっとも蓮のことを、過去になんかできていなかったのだろうか。


見えないフリして、フタをかぶせていただけ?


本当は、私の心の中に、まだしっかりと蓮がいたのだろうか。


< 37 / 448 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop