もう君がいない


「私達に、あとどれだけの時間があるかわからない。明日かもしれない、明後日かもしれない。」


私達が、一緒にいられる時間。

蓮が、生きていられる時間。


「でも、もしかしたら、もっともっと続くかも。リミットなんて、ずっと越えていけるかも。」


それは、私の願望でしかないかもしれない。


そんなに簡単な話じゃないことくらい、わかってる。


「その時がいつ訪れようと、私は最期の最後まで諦めない。その時まで、蓮と一緒に、前を向いて生きていたい。」



一人では、押しつぶされそうになる。

一人では、立ってさえいられないほど、重い現実。


でも、二人なら、、

二人一緒なら、、



「だから、蓮、お願い。お願いだから私と、、私と一緒に生きて?」


蓮の頬を、一筋の涙がつたう。


私を見た蓮の目が、涙でにじんでいる。



「俺も、、俺も茉菜と生きたい。」


蓮は、確かに、、

私の目を見て、力強く、そう言った。



「ありがとう、茉菜。」

「私の方こそ。ありがとう。」


これから先、どんなことが起ころうと、

どんな結末を迎えようと、


私は、蓮と一緒に、


残された時間を、大切に生きていく。


< 408 / 448 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop