相棒の世界





「鷹目兄さんの言うことなら、俺はなんだって聞きます。
鷹目兄さんの思いを遂げるためなら…命だってかけますよ」



ガイドンは真剣な口調でそう言った。




「…ガイドン」



今でも信じられないような真実を並べられて、俺は少しばかり混乱していた。




だがーーー



ガイドンの…鼠の強い意志はーーー



十分すぎるくらい伝わってきた。






「アルバートさん」




ガイドンは俺の手を拾うと、ギュッと握りしめた。




「6年間、ずっとお世話になりましたが…
あなたは本当に優しい人でした。
これだけは嘘ではありません。

ーーー鷹目兄さんはあなたと一緒にいれて、とても幸せだったと思います。
あなたのことを心底慕っていた鷹目さんの気持ちも、今になってはものすごくわかります。

俺もあなたを守りたいです、アルバートさん。
鷹目兄さんの意志も何も関係なく、俺はあなたを守りたいです。

あなたは本当にーーーいい人ですから」




「……っ」




ガイドンの言葉に胸が熱くなった。




こんなにも思われて、こんなにも温かい手を添えられて…俺はいいのだろうか。






< 228 / 506 >

この作品をシェア

pagetop