相棒の世界




「ーーー必要なさそうですね」



ふと、ガイドンが小さな声で言った。




「どういうことだ?」



俺が訊くと、ガイドンはクスッと笑う。




「ーーー鷹目兄さんに会わせる必要はないということです」



「っ!!」




ニカの頬に手を添えたまま、俺はガイドンの方を向いた。




なぜそんなことが言える…






「こいつは鷹目のガキなんだぞ。
父の顔を見たいに決まってる」



「それは違うと思いますよ?」



「…違う?」




ガイドンは俺の隣に来ると、ニカの頭を撫でた。




「ーーーニカさんはアルバートさんのことが実は大好きなんですよ、誰よりも…」




「…っ…こいつがか?
そんなわけない」




俺はニカから手を離して立ち上がった。




するとーーー



「うさぎ…!」



「っ!!」



ニカが急に大声で俺の名を叫んだ。




「あ……」



「ふっ」




ガイドンはゆっくり立ち上がった。




「ほらね?」



「…っ」



「もう一度手を添えてあげて下さい」



「…ったく」





ーーー頭のおかしいガキだ、本当に。




俺をこんなに慕うなんてな。






俺は再度ニカの頬に手を寄せた。



ニカはぐっすりと眠ったのだった。






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