相棒の世界




ーーートン…



シーナも近くの椅子に座ると、さっそく彼女は口を開いた。




「ーーーお前は兎だな」



「ああ、そうだ」



やはり、といった様子でシーナは黙り込む。



俺はすかさずその沈黙を逃すまいと口を開いた。



「聞きたいことが山ほどある」



「だろうな」




まるで分かっていたのようなシーナの反応に、俺は少しだけ苛立ちを覚えた。



分かっていてどうして今まで隠れていたんだ…



ニカを捨てた母親のくせに。





「まず一つ、どうしてお前は…「そんなのはいい」」



ふと俺の言葉を打ち消してきたシーナに、俺は眉を寄せた。




「そんなかたっ苦しい質問形式は嫌いなんだ」



「…はぁ?」



「私が全て話せばいい」



「っ……」



シーナはその場から立ち上がると、何かを取りにいった。



そして戻ってくると、俺の手にそれを握らせた。




「っ!」




それは一丁の銃だった。




形や刻まれた模様を手に触って分かった。




これはーーー




鷹目が所有していたものだ。






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