相棒の世界





ーーーニカの声は震えていた。



それもそうだ。



3ヶ月もの間、ニカはたった一人で黒い犬の仮面を被った男どもから逃げ続けて来たんだ。



ものすごく怖かったに違いないーーー












「兎ーー…」



彼女の色のない声は、恐怖の色一色に染まっているーーー



それが何色なのかは、はっきりと分からないがーーー












「ーーー分かった、ニカ」


「……っ!?」


「そのかわり、お前は絶対に俺から離れるな。
ーーー相棒【鷹目】として、ずっと隣にいろ。
それが条件だ…」



「……っ…どんな条件でも飲んでやる!
ーーー私はお前から離れない…!!」












ーーー鷹目……







この娘を俺に引き渡したのは、


ほんのジョークか何かか?







「ふっ、ビビリやのガキめーーー」








まあもしジョークでもーー…













俺はまたお前に騙されたと思って、





こいつを守り抜いてやるよーーー…
















その夜、俺とニカは森の奥で火を炊き、食することができる木の実を口にし、

ぐっすりと眠りについたーーー







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