どっちを選べばいいの?

そして、私たちはある場所へたどりついた。



「ここって、公園だよね?」
「えっと、もうちょっと先にあるの。」



公園に入って、奥まで歩いたら、階段がある。

そこをのぼると、目の前には、大きな1本の木が生えている。



「おぉー!スッゲー!俺ここ気に入ったー!」



由宇くんは子供のようにはしゃいで、景色を眺めていた。



そう、ここは、私が小学生のころ、彩香と必ずと言っていいほど、放課後にここへ来て、木の根元に座り、おしゃべりをしたり、宿題をしたりしていた。


だから、ここは私の思い出の場所なの。



「でしょ!人もあまり来ないし、景色もいいし、あと、この大きな木の根元に座るとね、風が気持ちいいの!」



由宇くんは、木の根元の所まで行き、そして座った。

私も由宇くんのことを追い、木の根元に座った。



「ホントだー。風がすっごく気持ちいいー。」
「私も、ここ気に入ってるんだー。」

「じゃあ、ここを俺ら二人だけの秘密の場所にしよーぜ!」
「じゃあさ、ここの名前決めようよ!」
「そだな。あ!『秘密の丘』は?」

「あ!それいいね!『秘密の丘』に決定〜!」



私は楽しくて笑った。


すると、由宇くんが真剣な顔で私を見ていた。
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