*完結* 星野と高瀬のばあい
ごめん、とつぶやく。


「ごめん、じゃなくってさー・・」
海に視線を向ける高瀬。口調はさりげないが、瞳の色は深い。


ぽふ、と隣の高瀬の肩に、頭をのっける。
やっぱり言葉が出てこない。言葉にならないじれったさを、その想いを、高瀬のからだにあずける。どこまでも、彼に甘えている。


すこし間があって、高瀬も首をかたむけて、やさしく頭をもたせかけてくる。


母親は、今日も汀を連れて買い物に行っている。
つまり、母親と不倫の関係を続けているらしい、マネージャー氏。
彼への憎しみから、策略をめぐらせて窓際へ追いやって、人にいえない罪を抱えている202高地。
母親を許せない自分と。
そんな自分に、潮のごとく365日変わらず思いを寄せてくれる少年と。


そんな60億人分のこんぐらがった思いを乗せて自転しているわけだから、地球も大変だ。さぞかし重たいことだろう。


ああそうか、だから。だから、人はお互いもたれ合うのかもしれない。


サングラスを外して、軽くまぶたを閉じてみる。



彼がキスしやすいように————







                               【了】
< 125 / 125 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

I 編む

総文字数/22,818

恋愛(オフィスラブ)50ページ

ベリーズカフェラブストーリー大賞エントリー中
表紙を見る 表紙を閉じる
初めましての方も、こんにちはの方も、野中萌子です。 今回は『ベリーズカフェラブストーリー大賞』の短編部門「運命を変えた●分間」に応募してみました。 運命的な巡り逢い・・・うーん、とテーマから頭をひねり、なけなしのアイディアを絞ってストーリーを膨らませています。 突然の出会いから、二人のストーリーが絡み合い動き出す。 王道ながら面白そうだな、と書き手としても挑戦意欲がわいてきます。 なぜかいつも美味しいご飯を出したくなるのはご愛嬌。 時代の寵児と称されるヒーローと、がんばり屋のヒロインの物語をお楽しみいただければ幸いです。
かりそめ婚は突然に 〜摩天楼Love Story〜

総文字数/57,058

恋愛(純愛)123ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
初めましての方も、こんにちはの方も、野中萌子です。 今回は、いきなりの結婚から始まるラブストーリーに挑戦してみました。 そして、舞台は日本を飛び出して、ニューヨークです。 ちょっと俺様なヒーローと、頑張り屋さんなヒロインの行方を楽しんでもらえたら幸いです。
he said , she said[完結編]

総文字数/33,089

恋愛(その他)73ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
初めましての方も、こんにちはの方も、野中萌子です。 今回は男性目線の、恋愛のエゴに焦点を当てた作品に挑戦してみました。 視点を複数にしてストーリーを掘り下げてみたら面白いのではないか…と。 いわゆる溺愛ものではありませんが、楽しんでいただけたら幸いです。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop